日本酒の定番となりつつある獺祭! 人気の秘密とは?

日本酒の新定番「獺祭(だっさい)」

日本酒にうるさい人たちも、一目置く銘柄といえば「獺祭(だっさい)」。「磨き二割三分」や「磨きその先へ」「遠心分離」のほか「梅酒」などの数量限定品を製造、いずれ劣らぬ人気となっています。そんな獺祭、市場ではプレミアが付く銘柄の一つなのですが、他の銘柄とは決定的な違いがあります。

酒造りに改革を!安定した製造構造を確保

それは科学的な酒造りを志向しているところ。人気の日本酒といえば熟練の杜氏や伝統的手法が付きもの、それゆえ少量しか生産できないというケースが多いものです。しかし獺祭は伝統的な勘や経験に頼る酒造りを拒否、杜氏すら存在しないという酒造りに取り組みました。また徹底した分析と品質の管理で年に2回の仕込みも可能にしました。お陰で製造量も飛躍的に増えて、獺祭はずいぶん手に入りやすくなったのです。にもかかわらずプレミアは付く、獺祭の評価は高まる一方なのです。

獺祭の歴史

獺祭を製造する旭酒造の創業は、今から200年以上前。「旭富士」という銘柄を長年手がける、山口県岩国市の外れにある小さな酒蔵でした。現社長の桜井博志が就任したのは1984年。当時は日本酒の売り上げが全国的に落込んでいた時期で、旭酒造もその影響を受けて廃業寸前でした。そこで長年製造してきた旭富士の製造を中止、純米大吟醸の新銘柄・獺祭の製造に着手したのです。最初は地元だけで流通していたのですが、1990年には東京へと進出。1992年には現在の主力製品である、獺祭・磨き二割三分を発売したことで、大ブレイクへと至ったのです。酒蔵を継いだ当時1億円にも満たなかった売上ですが、現在では100億円を上回るまでになったといいます。

その裏には現社長が始めた、先鋭的な酒造りがあったことは先に述べた通り。製造設備も拡大させるなど、増産に対する取り組みも怠りありません。しかし、それをも上回ってしまうのが、獺祭の人気。市場では販売価格をはるかに上回る、プレミアが付くこともめずらしくないのです。

 

獺祭 人気銘柄

 

獺祭 純米大吟醸 50
獺祭といえばこちらを想像される方も多いのではないでしょうか。
フレッシュで、洋梨のようにフルーティで甘い香り、それでいて米の旨味を感じることのできる、完成度の高い日本酒です。比較的安価で手に入れることができることから、コストパフォーマンスも抜群で安定した人気があります。
しかしながら「獺祭 純米大吟醸 50」は2019年3月末で廃盤。その理由として下記の事情があります。

獺祭 純米大吟醸 45
2019年4月1日より、「獺祭 純米大吟醸 50」の精米歩合を5%下げて「獺祭 純米大吟醸 45」として販売されることとなりました。これからはこちらを店頭で見かけることが増えてくるでしょう。
精米歩合とは、日本酒の製造工程でどれだけお米が削られて精製されているかを示す数値。お米は中心にいくほど香り高くなるため、周りを削ることから日本酒造りはスタートします。精米歩合を5%下げた、ということはそのぶん味わいが増すということ。

「獺祭50」は廃盤となりますから、店頭から消える日も近く、今後は需要が高まり買取も高値になる可能性があります。
また、「獺祭50」と「獺祭45」を気軽に飲み比べることができるのは今だけかもしれません。ぜひ試してみてください。

 

獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分
23%という極限まで磨いた山田錦を使い、最高の純米大吟醸に挑戦した日本酒。精米歩合23%ということは、なんとお米の77%を削っているということ。華やかな上立ち香と口に含んだときのきれいな蜂蜜のような甘み、飲み込んだ後口はきれいに切れていきながらも長く続く余韻が特徴です。「獺祭50」より洗練されすっきりとした味わいが、獺祭好きを唸らせます。

獺祭 磨きその先へ
獺祭の中でも最高峰、「磨きその先へ」は先述の「獺祭磨き二割三分」を超えるものとして作られました。精米歩合は一切公表されておらず、わかっているのは二割三分よりも削られている可能性があり、つまり少なくとも23%を下回る、ということだけ。価格も定価で720ml 32,400円となっており、非常に高価な日本酒です。そのため飲食店で提供されていることも獺祭の直営店以外ではほとんどなく、提供されたとしても一杯何千、何万円…という世界。これは口にしてみたくても、なかなか勇気が要りますよね。

 

おわりに

一口に獺祭といっても様々な商品が出ており、それぞれ違った味わいが楽しめるのが獺祭の魅力。手頃な価格の「獺祭 純米大吟醸」は獺祭を初めて飲む方に特にオススメです。獺祭を飲んだことのある方は、飲み比べてみるのもいかがでしょうか。

 

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