すべての古いワイン=高価ではありません
「ウチに古いワインがあるんだけれど……」こんなお問い合わせを、よくいただきます。確かに、楽天で調べてみると、1988年のワインに150万円(!)という値段が付いていますから「古いワイン=高価」と思ってしまうのは、当然かもしれません。しかし、先述のワインとはロマネ・コンティ。世界で最も有名かつ希少な銘柄、なおかつ古いものだからこそ、そこまでの価値があるのです。また、ロマネ・コンティほどではなくても、古くてプレミアがついているワインはあるものですが、これらには共通点があります。元々熟成向きかどうか?というところ。一本数1,000円の安価なワインは本来熟成に向いていませんから、古いものは単なる劣化したワインになってしまうのです。
「熟成日本酒」、近年のトレンドです
これと同じことが、日本酒にも当てはまります。近年人気となっているのが、長期熟成日本酒。代表的な銘柄「達磨正宗」の昭和の時代から熟成されているものならば、500ml入りのボトルで3万円以上になるものもあります。ロマネ・コンティほどではないですが、こちらも結構な値段になっています。しかし、日本酒もワインと同様、古ければなんでも良いというわけではありません。ビンに詰めた後に熟成させることを、仕込みの段階から前提にしたものしか熟成させる価値はないのです。
達磨正宗 ビンテージ古酒 昭和50年 (1975年)
また、熟成させる環境も大いに問題です。例えば達磨正宗が熟成させるのは、メーカーが持っている専用の蔵の中。このように適切な温度や湿度管理がなされたところでしか適切に熟成が進まないのです。近年では熟成日本酒を手がける酒蔵も増え、様々な環境での熟成を売りにした銘柄も販売されているもの。ビンごと海に沈めるとか、雪を夏まで保存する「氷室」で寝かせるとか、特殊な環境で熟成をすめることで自社ならではの味わい造りに成功している酒蔵も出てきています。
保管状態が悪い日本酒は劣化する
人気が高まる熟成日本酒、当店では大歓迎で買取いたしておりますが、すでにお話したとおり、熟成に向いていない日本酒の古いものは単に劣化した日本酒。減額や値がつけられない場合はご了承下さい。また熟成された日本酒の多くは、蔵元から熟成を終えて出荷されて以降も、長期保管に耐えるものです。しかし、適当なところに転がしておいては、こちらも劣化してしまう恐れがあります。保管は冷暗所、できればワインセラーなどで保管されることをおすすめします。そして、このことは熟成に向いた、元々高価なワインも同じ。適当な保管の方法では、せっかくのワインが熟成どころか劣化してしまう可能性がありますから、くれぐれも保管・熟成の環境には気を使っていただけるようお願いいたします。
日本製のワインセラーは近年開発が進んでおり、日本酒とワインを同時に冷蔵保管できる仕様のものも発売されています。
また日本酒やワインのように、ビンの中で熟成や劣化が進むお酒がある一方で、熟成が進むのは樽の中だけ。一旦ビン詰めされたら、もうそこからは熟成は進まないという種類のお酒もあります。それはウイスキーやブランデーなどの蒸留酒。アルコール度数が高いこれらのお酒はビンの中で熟成がすすむことはありませんが、劣化してしまうこともほぼありませんので、当店では問題なく買取いたしております。しかし、こちらも大切なのは保管状況。高温になりすぎるようなところや直射日光が当たるところは避けて、冷暗所での保管をおすすめします。
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