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リチャードジュエル

こんにちは。辻村です。
昨日はイーストウッドの新作を見てきました。めっちゃ興味深い傑作でした。

 

ストーリー

1996年、アトランタオリンピック大会7日目の夜、オリンピック公園で起こった爆破事件。コンサートが行われていた公園は多くの観客であふれていた。現場で警備をしていたリチャードジュエルは、ベンチの下に不審な荷物を発見し、報告。警察が確認し爆弾であることが判明する。すぐに観客を非難させ始めたその時、爆弾は爆発。2名が死亡、111名が負傷する大惨事となった。

被害を最小限に食い止めたとしてリチャードジュエルはメディアに取り上げられ英雄として称えられる。しかし、その数日後には、英雄から一転、爆弾事件の容疑者として報道する。この背景には、FBI連邦捜査局のプロファイリング捜査により第一発見者のジュエルは容疑者として捜査対象になっていることがメディアにリークされた事実があった。メディアリンチにあうジュエルは、かつての勤務先で知り合った弁護士に助けを求めた。

 

 

実話を語る巨匠

もう90歳になろうかという高齢にも関わらず、毎年コンスタントに作品を作り続けている巨匠イーストウッドですが、ここ数年はずっと伝記や実話を基にした映画を作り続けていています。まさかの主演作「運び屋」や「15時17分、パリ行き」奇跡の生還と言われる「ハドソン川の奇跡」クリス・カイルの半生を描いた「アメリカン・スナイパー」そして、アメリカンポップス史に燦然と輝くフォーシーズンズを描いた「ジャージーボーイズ」など。

これらはすべて何らかの意味でアメリカのヒーローやスターの光と影を描いた作品群で、世界は善と悪に分かれてはいるわけではないという「荒野の用心棒」や「ダーティハリー」から通底したイーストウッドの一つの世界の捉え方なのだと思いますが、現実の事件の背景にある様々な人間の営みに光が当てられ描かれることで、現実のこの世界が開放されるような感覚を禁じ得ない、慈愛に満ちたまなざしが最近の作品からは感じられ、それがいいことなのかどうなのかをつかみ損ねていたこともまた事実なのですが。

イーストウッドが出演していたころの監督主演作の一つのパターンは、とにかくひたすらひどい目に合う。これでもかと辛い目に遭って傷付く、そして決定的な出来事が起こり、イーストウッドはブチ切れる。そして、その次の瞬間にはいとも簡単に勝ってしまうとうやつなんですが。最も顕著なのは『許されざる者』や『ダーティハリー4』。

それと、死と生の境界線の曖昧さ。よくまたぐんですよね。あちらとこちらを。『ペイルライダー』とか、『荒野のストレンジャー』とか、『ミリオンダラーベイビー』もそうだし。そういうイーストウッドの記号をつい探してしまう。僕にとって巨匠の作品を見るというのはこういう記号を探すという楽しみがあるのですが、今作はどうだったでしょうか。

 

 

空転するプロファイリング

「羊たちの沈黙」は好きな映画なのですが、あのレクター博士がやったプロファイリング、犯人は、こんな奴で、こういうのが好きで、こんなタイプで、だからこんなコンプレックスを持っていて、、、っていうあの犯人を絞り込んでいく手法。あのプロファイリングが独り歩きして、ジュエルが犯人に仕立て上げられていくわけですが、証拠はない、でもプロファイリングしていくと、お前が当てはまる、ゆえにお前は容疑者な!って感じで仕立て上げられていくわけですが、これって自分が作ったストーリーの登場人物に当てはまるっぽい人を選んで当てはめていくようなもんなので、怖いことだなと。根拠ないから。それなのに、メディアがそれをさも真実のように暴き立てればそれが真実のようになっていく。そのマディアによってリンチにあい、打ちのめされていくジュエル。これはとてもイーストウッド的な展開です。

 

 

サムロックウェルはひたすら信じる

弁護士役のサムロックウェルはリチャードジュエルを信じる数少ない人なのですが、なぜ信じるかと言えば、リチャードが「僕は何もやっていない」と言ったから。その言葉で彼を信じます。リチャードの家の外で騒いでいる報道陣に対して、「分かった、じゃあ外の馬鹿どもを打ち負かそう」っていうシーンはとても素敵です。
彼はその言葉だけで彼を信じ、励まし続けます。

このサムロックウェルは真犯人が捕まったことをリチャードに告げに行くシーンが凄すぎて泣けました。このシーンの美しさのためにすべてが組織されてると言っても過言ではないシーンです。そしてそれはとてもさりげない手つきで行われます。やってることは許されざる者で最後の決斗でジーンハックマンのアジトにのりこむイーストウッドと同じ。いや、やってることは全然違うけど、やり方は一緒(笑)こういう瞬間が見たくて映画見てるんだと思う。

 

そんなわけで、リチャードジュエル傑作でした!

 

 

個人的イーストウッド監督作 ベスト10

1.許されざる者
2.アイガーサンクション
3.ペイルライダー
4.ダーティハリー4
5.ブラッドワーク
6.恐怖のメロディ
7.ミリオンダラーベイビー
8.荒野のストレンジャー
9.スペースカウボーイ
10.ミスティックリバー

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COO、酒部部長、みけキャン副部長 「中古品、二次流通品、損害品、残置品を買取し、最適な市場に戻していく事で、社会的課題を解決する。」をテーマにリユース事業をやってるのと、レコード収集、キャンプ、映画鑑賞がライフワーク。世界一好きな映画は、トビー・フーパーの『スポンティニアス・コンバッション』。

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