【日本酒】黒龍(こくりゅう)ってどんなお酒?

「黒龍(こくりゅう)」について

「黒龍(こくりゅう)」とは、福井県永平寺町にある黒龍酒造が手がける日本酒のブランド。昔ながらの酒造りのスタイルをかたくなに守る一方で、精米を極限までおこなう大吟醸の製造にいち早く挑戦、成功を収めたことで知られています。現在では「大吟醸」や「特吟」「純吟」といった銘柄をレギュラーで販売しているのですが、入手することが難しいのが限定商品。抽選での販売を取り入れている小売店も多いため、「石田屋」「しずく」「二左衛門」などの銘柄は希望小売価格を上回る市場価格となっています。

黒龍で成功を収める一方で、黒龍酒造が設立したのは「九頭龍」や「無二」といった新ブランド。九頭龍は昔ながらの燗酒を楽しむための吟醸酒、無二は長期熟成の日本酒という位置づけですが、とりわけユニークなのが無二の卸売り方法。小売店の入札という非常に珍しい方法を取った結果、現在720ml入りのボトルがどれも10万円以上で販売されることになりました。

現在のメインとなっている黒龍だけでなく、新ブランドの開拓や、新しいジャンルへの挑戦にも怠りないのが黒龍酒造。こんなところも、人気を集めている理由なのです。

 

黒龍の歴史

黒龍酒造が創業したのは1804年、限定酒の銘柄にもなっている「石田屋」二左衛門を初代としており、現在の社長は6代目、200年を超える歴史を持つ酒蔵です。創業以来、一貫しているのは真面目な酒造り。原材料が不足した戦後期にも、アルコールを添加するなど本道から外れたことはおこないませんでした。そんな黒龍酒造が一躍注目を集めるようになったのが黒龍「大吟醸・龍」を発表して以来。当時まだ珍しかった大吟醸酒、1975年のことでした。

以来、黒龍の名前は全国的に広まっていくのですが、同時におこなったのが数々の新製品の開発と設備の更新。1994年には新しい醸造倉「龍翔蔵」をオープンさせていますし、2004年には新ブランド「九頭龍」をスタート、2005年には低温熟成が可能にする「兼定島 酒造りの里」もオープンさせています。

 

黒龍の査定時の注意点

黒龍の貴重な日本酒を手に入れたときに思いがちがのが、自宅で保管しておくことで価値がもっと上がるかも?ということでしょう。日本酒は冷暗所、もっというなら冷蔵庫で保管するのが理想ですから、面倒なものです。しかし黒龍の場合、面倒な思いをして保管しておいても、価値が上がることはありません。

なぜなら常時出荷されているレギュラー品が多いことに加えて、限定商品も1年たったらまた生産されるから。ヴィンテージという考え方は黒龍にはありません。飲まない黒龍を手に入れたならば、すぐに当店に査定に出しましょう。ラベルにある出荷日に近ければ近いほど、高価買取が期待できます。

ヴィンテージの日本酒といえば、黒龍酒造が手がける「無二」が思い出されますが、これはマイナス2度という特別な環境で厳しい品質管理の下、長期熟成が重ねられたもの。家の冷蔵庫で黒龍をどれだけ長期間寝かせておいても、無二にはならないのです。黒龍を手に入れたならば、すぐに飲んでしまうか買取りに出すことがベストなのです。