2020年10月11日
ペドロコスタのヴィタリナ見ました。
ペドロコスタの新作ヴィタリナを見てきました。凄かったマジで。凄かったよ。というブログです。
青山真治監督が、ユリイカを完成させた2000年。なんのイベントだったか覚えてないのですが、(たしかアテネフランセで)カンヌから帰ってきた青山監督が
凄いものを見た。とお話されていたのが、ペドロコスタの「ヴァンダの部屋」でした。とにかく何も起きないのだが、目を離せなくなったと。それはもはや小津にも通じるという言葉も聞かれた記憶があります。
そして、なんのイベントだったかは忘れてしまったのに、ヴァンダの部屋の話はちゃんと覚えてるという。20年前の話ですからね。
あれから20年
ペドロコスタの最新作が遂に公開になりました。その名は『ヴィタリナ』その物語は、ヴィタリナの夫の埋葬を終えた男たちが墓からの帰り道を捉えたショットからはじまります。(スタンダードサイズ!)アフリカの小さな島国カーボベルデ共和国で夫から呼ばれるのを待っていたヴィタリナは、亡き夫の訃報を受けて、はじめてリスボンにやってきます。そんな風に物語ははじまるのですが。
ヴァンダの部屋から20年、ペドロコスタの新作に陶酔しました。完璧な構図と深い陰影の美しさ。漆黒のスタンダードサイズの閉塞空間で、微かな光を頼りに語られる彼女の魂を映画は解放できるのか?できないのか?#ヴィタリナ pic.twitter.com/zLUODf3Hby
— 辻村康|リユース専門家|みっけ柏|Reusearch|を準備中 (@kotsujimura) September 22, 2020
凄かったなー。ほんとに。電気のない狭い部屋でヴィタリナの独白というか亡き夫に語り掛ける言葉が響いて消えていきます。深い陰影と差し込む光。その過酷な運命を生きるヴィタリナを演じるのは、ヴィタリナ・ヴァレラその人。虚構と人生、ここ(リスボン)とそこ(カーボベルデ)、この世とあの世がこのような出鱈目さで直結して、嘘のように解放される。ストローブ=ユイレを思わせるラストの余韻を感じながら渋谷を後にしました。いやー素晴らしかったなー。